アジアを代表する出版社「漢聲(ハンシェン)」の創立50周年を祝して、「漢聲雑誌」の3冊をエジソンから翻訳出版します。2021年春より、順次刊行していく予定です。
もともと櫛田理が20年来の漢聲ファンで、その圧倒的な編集力とめくるめく造本力に感服してきた一人でした。現在、エジソンが監修する国内外の「MUJI BOOKS」店舗で漢聲の出版物を取り扱いはじめたことがきっかけで、何度か北京の編集室を訪問するうちに、漢聲の編集長兼デザイナーの黄永松(ホアン ヨンソン)さんと親しくなりました。
日本を代表するグラフィックデザイナーで、黄永松さんとも交流の深い杉浦康平さんからは、「漢聲を日本語にするとは、勇気がある」と背中を押してもらいました。日本語版の造本デザインは、杉浦さんに監修のご相談をしています。
翻訳作業は、前途多難です。中国語を日本語に訳すのは、通常でも1.5倍に文字数が増えるところを、元の複雑なページデザインは一切いじらないで、寸分たがわず日本語に置き換えるという、無謀かもしれないチャレンジになります。
かつて、世界でもっとも美しい本に選ばれた漢聲。その魅力をお届けするために、現地の漢聲編集部や翻訳チームと密に情報交換しながら、少しずつ前進しています。